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世界経済 海外企業決算編 DocuSign, Inc. 第2回目

世界経済 海外企業決算編 DocuSign, Inc. 第2回目

こんにちは。

exit.です。

今回は、2021年6月3日に第一四半期の決算発表を行ったDocuSign, Inc. (以下、ドキュサイン)について取り上げたいと思います。


第一四半期の最初の3カ月の売り上げを比較しています。売上高は2020年の第一四半期では297百万ドルから2021年の469百万ドルと約1.6倍となっています。利益については、47.8百万ドルの赤字でしたが、8.3百万ドルと赤字の額が大幅に縮小をしました。一株当たりの利益(損失)は0.26ドルから0.04ドルとなりました。第一四半期を終えて赤字となっていますが、会社計画でもアナリストの予測においても今期は黒字での着地を見込んでいます。今後の決算内容を確認して赤字幅の縮小や黒字転換を見る必要はあると思います。次にキャッシュフローを見てみます。営業活動に係るキャッシュフローは59百万ドルから135.6百万ドルと約2.3倍となっています。また、投資活動に係るキャッシュフローについては、2020年は保有していた有価証券の満期に伴い170百万ドルの受け取りなどによりプラスとなっていたものが、2021年は97百万ドルの有価証券の購入により約70百万ドルのマイナスとなっています。このことを加味しても、営業キャッシュフローから投資キャッシュフローを差し引いたフリーキャッシュフロー(FCF)はプラスとなっています。このFCFがプラスであれば、新規の借り入れが不要であることを意味します。また、FCFは借入の返済や投資家への配当金など、企業にとって自由に使えるお金を意味します。そのため、FCFを重視してチェックする投資家も多いです。


第二四半期の企業が出している予測は、売上高が479百万ドル(第二四半期単独の数値)で、2022年の年間での予測値は2.03億ドルと見込んでいます。アナリストの予測もほぼ企業の発表と同じほどの売上額を見込んでいます。一株あたりについては、アナリスト予測数値では1.66ドル程度となっています。また、アナリスト今期2021年(2022年決算期)だけではなく、2022年(2023年決算期)も引き続き成長を見込んでいます。この予測の変遷も注視しておく必要があります。


ドキュサインが提供するサービスは基本的にサブスクリプション(月額課金)であるため、解約がなければ今後も安定的に業績は推移していくと思われます。電子署名の普及は今後も進んでいくと思われます。紙をプリントアウトして記入して印鑑を押して(日本などの場合)、もしくは署名を行い送付する、となると時間や費用がどうしてもかかってしまいますが、電子署名の場合であれば、すべてオンラインで完結するため書類の送付などの時間やコストは削減できます。一度自分の署名をドキュサインのシステムに登録さえしてしまえば、書類などで署名が必要な個所をクリックするだけで署名完了となります。書類もクラウド上に保管されるため、プリントアウトして保管する必要もありません。


ドキュサインはバリュー/グロースで分類すれば、グロース株に分類されますので、決算内容や長期金利の動向には特に注意が必要です。また同類のサービスや製品を提供する会社が出てきて競争が激化する可能性はありますので、そのことは念頭に置いておく必要があります。


ドキュサインの投資家向けの情報は以下のリンクより確認いただけます。すべて英語での資料となっており、日本語での情報提供はありませんが、証券会社では決算内容や今後の予測等の情報確認はできると思いますので、ご確認いただければと思います。

https://investor.docusign.com/investors/home/default.aspx


DocuSign, Inc.を取り上げた弊社のコラムです。会社の概要などを簡単に説明しておりますので、併せてご覧いただければと思います。


次回も皆様のお役に立つ情報を発信していきます。


本コラムは、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。投資判断は投資家の皆さまの自己責任でお願い致します。