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世界経済 海外企業決算編 Zoom Video Communications, Inc.

世界経済 海外企業決算編 Zoom Video Communications, Inc.

こんにちは。

exit.です。

今回は、2021年3月1日に決算を発表したZoom Video Communications, Inc.(以下、ズーム)について取り上げていきたいと思います。


今では多くの人が使うようになり、日本でも「ZOOM飲み」などの言葉がメディアで取り出されるようになったズームは、アメリカのカリフォルニア州に本社を置いている、中国系アメリカ人のエリック・ヤン氏が創業した会社です。代表的なサービスとしては、クラウドのWEB会議システムを提供しています。会社として、NASDAQに上場したのは2019年4月18日で、IPO(新規株式公開)を行った際の株価は36ドルでした。2021年の1月には1株340ドルでの株式の売り出しによる約2億ドル資金調達を発表しており、さらなる事業投資及び事業拡大を進めようとしています。


ミッション(企業の使命)としては、ビデオ通信から障害を取り除く(Our mission is to make video communications frictionless)ことを、ビジョン(企業の目標)としては、ビデオ通信を通して人々がより多くの業務を遂行できるようにすること(Our vision is to empower people to accomplish more through video communications)を、バリュー(企業理念)としては、私たちのコミュニティ(地域社会)、お客様、会社、チームメイト、そして私たち自身を大切にすること(We care for our community, our customers, our company, our teammates, and ourselves)を掲げています。


次に今回発表された決算委ついて見ていきたいと思います。2020年1月締めの年次決算では売上高が622百万ドルだったのに対して、2021年1月締めの年次決算では、2,651百万ドルでしたので、約4.3倍になっています。希薄化後の1株当たり利益は2020年の0.09ドルから2021年では2.25ドルと25倍になっています。営業活動によるキャッシュフローは2020年の152百万ドルから2021年は1,471百万ドルとなっていますが、フリーキャッシュフロー(営業活動に係るキャッシュフロー-投資活動に係るキャッシュフロー)はまだマイナスにはなっていますが、こちらも将来的にはプラスに転じると考えられます。貸借対照表を見ても、自己資本比率が70%以上でさらに流動比率(流動資産÷流動負債)も380%と安全性がかなり高いことが見て取れます。2022年の決算の予想としては3,760百万ドルから3,780百万ドルの間、一株当たり利益では3.59ドルから3.65ドルの間とさらなる業績の拡大を見込んでいます。


ズームはWEB会議システム(オンラインセミナーやオンライン会議など)だけだと思われがちかもしれませんが、企業相手のビジネスフォンサービスも提供しています。このサービスも順調に売り上げとシェアを伸ばしています。オンライン会議(ウェビナー含めた)だけではなく、電話やチャットを含めたコミュニケーションを一手に引き受けることでサービスとしての付加価値を高めることも戦略として採用しているようです。


ズームは新型コロナ感染症以降で注目を浴びるようになったグロース株の一角の立ち位置になっています。グロース株は金利上昇に敏感で、長期金利(10年国債の利回り)が上がれば、調整を与儀なくされると考えられていますが、決算内容がよく、将来的な成長期待が高い企業の株価は一度調整により下げても再び株価を戻すこともあります。また、ワクチンが普及しても、オンライン上で商談を行っても問題がないことは、今回の件で企業はすでに分かったので、今後もオンライン化の流れが消えることはないと考えられます。ただし、競争が激化すればズームと言えども安泰ではないと思いますので、決算や業界動向を含めて注視することは必要だと思います。


ズームの決算関係の資料は以下のリンクよりご確認いただけます。以下のリンクでは日本語での決算資料をご確認いただくことはできませんが、証券会社などが決算データを提供している場合もありますので、そちらをご覧いただければと思います。

https://investors.zoom.us/


次回も皆様のお役に立つ情報を発信していきます。


本コラムは、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。投資判断は投資家の皆さまの自己責任でお願い致します。