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海外ニュース GameStop株を巡る動きについて

海外ニュース GameStop株を巡る動きについて

こんにちは。

exit.です。

今回はGameStopの株式を巡る騒動についてまとめてみたいと思います。


騒動の流れについて

GameStop株の業績を見込んで空売りを行っていたヘッジファンドに対抗するためにSNSであるRedditの中のWallStreetBetsのユーザーたちが結託をして、同社の株式やコールオプションを、Robinhoodを通じて大量に買いあさり、ヘッジファンドが巨額の損失を出した、という話になります。


GameStopとはどのような会社なのか?

まず、GameStop(ティッカーコード:GME)とは、アメリカのテキサス州に本拠を構える、世界最大のコンピューターゲームの小売業です。近年では、オンラインゲームやゲームのダウンロート販売に押されて業績が下降しており、さらに新型コロナウイルス感染症の影響も受けて2020年の決算では売上が65億ドルに対して、営業利益で-4億6,400万ドルでした。なお、2017年の決算では、売上が92億ドルに対して、3,500万ドルでした。業績の悪化を受けて、1株の株価が2017年12月最終週で18ドルを超えていたものが、2020年では4ドルを下回る状態になっていた時もありましたが、現在では300ドルを超える株価で取引されています。


ヘッジファンドは何をしていたのか?

業績の悪化に目を付けたヘッジファンドは、さらなる業績の悪化を見込みGameStop株の空売りを行いました。この時に、浮動株を上回る信用売り(空売り)をヘッジファンドは行っていました。主に空売りを行ったのは、メルヴィンキャピタル(ファンドマネージャーはゲイブ・プロトキン氏)です。マネー・ショートで有名な投資家であるマイケル・バーリー氏は同社の株式が異様なまでに売り込まれているとして、買いで参入をしていました。また、シトロンリサーチでは、同社の株式の空売りのポジションについて話をしていました。


Redditとは何か?そして、何が起こっていたのか?

米国の大手のSNSサイトであるReddit(昔の2チャンネル、今の5チャンネルのアメリカ版だと考えていただければと思います)の中にWallStreetBets(ヤフーファイナンスをイメージしていただければと思います)という投資を主に扱っている掲示板があるのですが、そのユーザーがヘッジファンドに対抗するために結託して同社の株式及びコールオプションを買いあさりました。GameStopに対する愛着の高さもあったためこのような動きになったと推測されます。買いの対象となったコールオプションとは、ある株式を決められた価格で買う(権利行使価格で買う)ことができる権利のことです。実際の株価が権利行使よりも高くなれば権利を行使して、取得した株式を売却して利益を得ることができますが、株価が下がっていれば、権利を放棄して、最初に払ったオプション料だけの損失を被る、という仕組みです。また、この結果ヘッジファンドの空売りのポジションは壊滅的な打撃を受けました。


Robinhoodの役割とは?

手数料無料で株式を取引できるRobinhoodはアメリカの若者を中心に支持をされている投資アプリです。Robinhoodにとって、投資家はユーザーであり、収益源はオプション手数料や信用取引に係る金利収入や、Robinhoodのプレミアユーザーの利用料などですが、メインとなっているのは、ヘッジファンドやHFTと呼ばれる高頻度取引会社です。このような会社に投資家の売買のデータを提供することで情報提供料を得ています。気軽に多くの人が投資を行えるようになる一方で、知識のない人たちがリスクの高い投資を行っているという批判もあります。また、RobinhoodはGameStopの株式を含む複数銘柄を取引停止対象としています。さらに、Robinhoodは銀行の供与枠の引き出しを行いました。


政治家・要人の発言

この動きは現在政治家も巻き込んでいます。共和党のテッド・クルーズ氏や民主党のオカシオ・コルテス氏は、ヘッジファンドは自由に取引ができるのに個人の取引は制限するのかと批判をしています。エリザベス・ウォーレン氏も今回の騒動を批判的に見ており、株価はファンダメンタルズ(企業の実態)を反映するべきと発言をしています。FRBのジェローム・パウエル氏は今回の件に対して、個別の動きに関してはコメントを控える、としています。


今後の動き次第によっては、規制がなされる可能性もあり、どのように着地するのかが読めない状況になっていますので、注意が必要となります。株式市場全体に影響を与える可能性もあるため、Robinhooderたちの動向やお金の流れに振り回される可能性を考慮して、資産の配分(ポートフォリオ)を見直しても良いのではないでしょうか。

参考となる記事のリンクも貼っておきますので、ご覧いただければと思います。
https://www.bloomberg.com/news/articles/2021-01-28/robinhood-is-said-to-draw-on-credit-lines-from-banks-amid-tumult


次回も皆様のお役に立つ情報を発信していければと思います。


本コラムは、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。投資判断は投資家の皆さまの自己責任でお願い致します。