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投資の基礎 投資信託編 第7回目 為替ヘッジ・ヘッジコストとは

投資の基礎 投資信託編 第7回目 為替ヘッジ・ヘッジコストとは

こんにちは。

exit.です。

今回は、外国資産に投資を行う投資信託などで見かける「為替ヘッジ」について取り上げていきたいと思います。


まずは、そもそも為替ヘッジとは、という点からスタートしたいと思います。

為替ヘッジとは、外貨建資産(外国株式や外国債券など)へ投資する場合に、為替相場の変動による為替差損益を回避するため、為替予約や先物取引等を利用することによって、為替変動リスクを回避すること、と定義されます。


為替ヘッジはただでできるものではありません。そこにはコストがかかってきます。為替ヘッジを行うためのコストはヘッジコストと呼ばれます。これは、為替ヘッジを行う通貨の金利と円の金利の差のことです。例えば、米ドル建て資産に対して為替ヘッジを行う場合は、日米の金利差がヘッジコストとなります。高金利通貨(南アフリカランドやトルコリラなど)に対して、為替ヘッジを行おうとするとそれだけ日本との金利差が大きくなるためヘッジコストが大きくなってしまいます。


金融緩和を行えば、金利は低下しますので、日本との金利差は縮小します。そして、縮小した分だけ、為替ヘッジに関わるヘッジコストは低くなっていきます。ただし、金融引き締めを行えば、金利が上昇しますので、ヘッジコストは高くなっていきます。


ここで、為替ヘッジにどのくらいコストがかかるのかを数値例を基に見ていこうと思います。例えば、1ドル=100円で、日本の金利が1%、アメリカの金利が5%だったと仮定します。この場合で、日本円で運用した場合、1年後は101円となり、アメリカドルで運用した場合は1年後には1.05ドルとなります。この1年後の為替レートは、101円÷1.05ドル=96.2円となります。ヘッジコストとしては、100円-96.2円=3.8円がヘッジコストとなります。この例で、金利が下がって、アメリカの金利が2.5%となった場合(日本の金利は変わらない)は、101円÷1.025ドル=98.5円となり、ヘッジコストは100円-98.5円=1.5円とヘッジコストが低くなります。この例から、金利が下がり(上がり)、金利差が縮小(拡大)するとヘッジコストが下がる(上がる)ことがご理解いただけるかと思います。


為替ヘッジによってコストはかかってきますが、それがどのように作用するのかをもう少し見ていきます。円安局面では、為替ヘッジを行わないことで為替差益という円安のメリットを享受できますが、円高局面では、為替ヘッジを行うことで、為替差損の発生を抑えることができます。つまり、円高局面では為替ヘッジなし、円高局面では為替ヘッジありの方が有利にはなる一方、為替ヘッジのコストがかかるため、為替の変動ほど資産価格の変動は拡大や縮小をしない点には注意が必要です。また、この結果として、標準偏差は小さくなる傾向があります(為替ヘッジを行った分だけ資産価格の変動が小さくなるためです)ので、この点も考慮する必要があると思います。


新興国通貨は、変動が大きく為替リスクが大きいため、為替ヘッジを行う意義は高いと考えられます。その一方で、先進国通貨においては、河江の変動は新興国通貨と比較するとそこまで大きな問題になることはなく、為替のリスクを取りたくない(ヘッジ)したいなどのリスク許容度に関する問題がない限りは特段必要ではないと考えられます。また、先進国通貨には新興国通貨のような流動性リスクに関する問題が発生しにくいという点も考慮に入れてもよいかと思います。ここで述べているのはあくまで一つの考え方ですので、皆様のリスク許容度に応じて為替ヘッジを行うのか、為替ヘッジを行わないのかを決めていただければと思います。


投資の基礎の投資信託編としてお送りしてまいりましたが、投資信託編は一旦ここで終了となります(また投資信託のことをコラムで取り上げることもあるかと思います)。


次回も皆様のお役に立つ情報を発信していきたいと思います。


本コラムは、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。投資判断は投資家の皆さまの自己責任でお願い致します。