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投資の基礎 投資信託編 第5回目 MSCIとFTSEの2つのインデックスの違いについて

投資の基礎 投資信託編 第5回目 MSCIとFTSEの2つのインデックスの違いについて

こんにちは。

exit.です。


インデックスファンドは、低コストで分散投資ができるため、長期投資に向いている投資商品として、多くの投資家に支持をされています。海外株式に投資をする際には、大きく分けて2つのインデックスがあります。1つ目がMSCI、2つ目がFTSEです。今回のコラムでは、この2つのインデックスの違いについて取り上げていきます。


まずは、この2つの会社の簡単な紹介です。

①MSCI(Morgan Stanley Capital International, Inc.):モルガン・スタンレーとキャピタル・グループが株主として設立されましたが、現在は、モルガン・スタンレーは所有している株式を売却して、現在はMSCI, Inc.として独立しています。アメリカのニューヨークに本拠を置いているニューヨーク証券取引所上場企業です。

②FTSE(FTSE Internatinal,Ltd.):イギリスに拠点を置いている企業で、ロンドン証券取引所グループの子会社です。


それでは、次にそれぞれの指標の違いについてみていきます。

①投資対象の企業の違い

MSCIは投資対象の企業としては、大型企業と中型企業を対象としていますが、FTSEは大型・中型・小型企業が対象となっています。そのため、時価総額のカバー率がFTSEの方が高くなっています。MSCIが世界の時価総額のうちの約85%をカバーしているのに対して、FTSEは世界の時価総額のうちの約98%をカバーしています。

※共通点としては、両方のインデックスが時価総額を加重平均したものを計算に利用しています。

②投資対象国の違い

MSCIは韓国及びポーランドを新興国と分類していますが、FTSEでは、この両国を先進国に分類をしています。MSCIをインデックスとして使用する先進国株式ファンドと、FTSEをインデックスに使用している新興国株式ファンドに投資をしてしまうと、この2か国には全く投資されなくなってしまいます。また、その逆に、MSCIをインデックスとして使用する新興国株式ファンドと、FTSEをインデックスとして利用する先進国株式ファンドに投資をしてしまうと、韓国とポーランドの2か国が投資先として二重になってしまいます。

※この2か国以外の取り扱い以外にも違いはありますが、代表例として挙げています。

③利用手数料の違い

この点については、明確にされていませんが、インデックスにはそれぞれに利用手数料がかかってきます。インデックス運用で有名なバンガード社はFTSEを利用しているようです。バンガード社はコストを低く抑えて運用を行うインデックス型投資信託を世界で初めて個人投資家に提供した会社として知られていますので、インデックスに関わる費用がFTSEの方がMCSIより低かったのではないかと推察されます。コスト面と投資対象の国や企業の違いなどはありますが、これがパフォーマンスに影響を与える可能性は否定できません。


こちらの記事で両社のパフォーマンスの違いを見ることができます。先進国ではパフォーマンスに違いはありませんが、新興国でのパフォーマンスはFTSEに軍配が上がります。ただし、将来的にもFTSEのパフォーマンスの方が良い結果を残すことは意味しません。

https://www.justetf.com/uk/news/etf/msci-vs-ftse-which-etf-provider-is-the-best-index-provider.html


日本で主に投資ができるインデックスファンドでMSCIを利用しているのは野村とeMAXISが代表例として挙げられます。一方、FTSEを利用している投資信託の代表例としては楽天やSBIの全世界インデックスファンドが挙げられます。どちらのインデックスが良い悪いという話ではなく、それぞれの特徴を知ることで、皆様のポートフォリオを考える際での資産分散(分散投資)に役立てることができると考えています。


次回も皆様のお役に立つ情報を発信していきます。


本コラムは、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。投資判断は投資家の皆さまの自己責任でお願い致します。