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政治経済 世界のニュース編 「世界経済は深刻な不況への引き金を引いている」のか

政治経済 世界のニュース編 「世界経済は深刻な不況への引き金を引いている」のか

こんにちは。

exit.です。


海外のニュースとして、今回はCBC(カナダ放送協会)からのニュースをご紹介したいと思います。2020年6月10日の「World economy on track for worst recession in a century, OECD says:経済協力開発機構は『世界経済が1世紀で最悪の不況の軌道の上にいる』と述べている」を取り上げます。コラムの後半では、主に株に重きを置きながら現在の相場などについて書いていきます。


新型コロナウイルスによる全世界の直近の1世紀で一番深刻な不況(recession)への引き金を引いており、第2波が来なくても、痛みがまだ終わってはいないと水曜日(2020年6月10日)の国際経済報告書で警告をされました。数百慢人も仕事を失い、その中でも特に貧困層や若者世代を直撃していると経済協力開発機構は分析をしています。最善のシナリオ(感染の第2波が来ない)の場合でも、世界経済の成長は6%のマイナス成長となり、来年は2.8%回復するもので、第2波が今年の後半に来た場合には、7.6%のマイナス成長となると伝えています。


世界の株式に目を向けると、中央銀行や各国政府による財政支出により下支えをされているような印象を受けます。OECDの事務総長のアンヘル・グリア氏は「健康と経済の間の選択は命と生計の選択というのは、偽りのジレンマです。もしパンデミックが制御下に置けなければ、経済の回復もあり得ない」と論じています。日本の相場を見てみると、日経平均は2020年3月19日につけた16,358.19円を底にして、日本政府や日本銀行の財政政策や金融政策によって急回復しています。株価だけを見れば、新型コロナウイルスの問題はどこに行ってしまったのか、と感じられるほどではありますが、やはり実際にはそのようにはなっているようには見えません。記事の後半では、もし、第2波が来た場合、平均失業率は37の先進国で10%ほどとなり、さらに、2021年にはほぼ回復しないだろうとしています。最も楽観的なシナリオでも平均失業率は9.2%と予測されています。


新型コロナウイルスの影響による経済が悪影響を受ける期間が長くなればなるほど、失業率が高止まりする可能性が大きくなり、そして失業者の数が増えていくと、GDPの過半数を占める国内消費が大幅にダメージを受けます。そうなれば、企業業績にも大きなダメージを与えます。その期間が長くなればなるほど、企業も苦しくなり、倒産を防ぐためのリストラなどを行うかもしれません。特に、飲食業や観光業などへの影響は計り知れません。ANAやJALのような航空業界やJRのような鉄道業界も以前のような人の往来がすぐに回復するという期待は持ちにくく、そして以前のように満席状態で運営していくようなことは難しい状態になるとみています。そのように考えると、それらの企業の収益性は大きく下がり、収益性(収益力)の回復がいつになるのか、もしくは低下したままになるのかを慎重に見ていく必要があります。不動産に関しても、リモートワークが導入された結果、企業のオフィスの解約や縮小の動きがあり、飲食業の撤退などによる影響を受けて、先行きが芳しくないように見えます(居住用に関しては、一旦は大きくは変わらないとは思いますが)。全体的な株価の基調としては、金融緩和や財政支出に支えられて堅調に見えますが、いずれは経済実態に合わせて調整を余儀なくされると考えています。現在の非合理的な株価の動きは短期的に資金を出し入れするような投機家には良い状況かもしれませんが、中長期で考える投資家にはなかなか難しい相場の状況だと思っています。


以下が今回ご紹介した記事のリンクです。記事の長さとしては、長くはないので、英語の勉強がてら海外のニュースにも触れてみる、という感じでリンク先の記事をお読みいただければと思います。

https://www.cbc.ca/news/business/oecd-outlook-1.5605866


次回も皆様に興味を持っていただけるようなコラムを書いていきます。

※本コラムは情報の提供を目的としています。個別の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資はくれぐれも自己責任でお願いします。