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政治経済 経済学編 行動経済学 第1回目

政治経済 経済学編 行動経済学 第1回目

こんにちは。

exit.です。

今回から行動経済学について、説明をしていきたいと思います。

皆様の家計の見直しや投資行動を見直すきっかけとなり、お役に立てることができればと考えています。


行動経済学(Behavioral Economics)とは、経済学の数理モデルに心理学的な要素を組み入れたものです。マクロ経済学の理論、心理学、神経科学の3つが主に組み合わせられています。そのため、行動経済学では心理学的な実験を行った結果を組み入れて考えていきます。例えば、買う予定がなかった割引価格で売られている雑貨品を買ってしまう、すでに支払ってしまったお金を無駄にしないために追加でさらにお金を使ってしまい結果として浪費の金額を増やしてしまうなどのような、合理的ではない行動をとってしまうことがあります。従来からの経済学の場合は、人はみな合理的に行動ができ、感情に流されない「合理的経済人」が前提とされています。この合理的経済人はすべての選択肢を把握し、どの選択肢を選べばどのような結果が得られるかを知っている、そして一度決めたことは決して変えない一貫性を持つ主体として定義されています。しかし、このような合理的経済人を前提にすることが現実的ではない、という批判から行動経済学が生まれたきっかけとなっています。ここから、私たちの生活を考えるうえでも役に立ちそうなものをいくつかご紹介したいと思います。


①メンタルアカウンティング(Mental Accounting)とは、同じお金であるにも関わらず、どのような名目のお金なのかを自分の心の中で勝手に仕分けしてしまう現象のことです。例えば、ギャンブルで稼いだお金は手元に残りにくく、自分で仕事をして稼いだお金は使用用途をしっかりと使う前に考える、ということが挙げられます。同じお金、同じ金額なのにどのように入手(稼いだ)したのかによって、どのようにお金を使うのかを心の中で決めてしまう傾向があることを示しています。また、心の口座は総合的なものではなく、個別に損得勘定を持つ独立した財布として機能しています。例えば、昼食代を節約して、交際費を大きく使った場合、昼食代の財布は節約されていると考えます。このような状態を防ぐためには、財布に入れておく金額を常に決めておき、その中でやりくりするようにし、キャッシュレス決済に敏感になる、などが考えられます。また、口座を貯蓄用口座、投資用口座、経費用口座(自分で1か月間に使ってよい金額だけを入れておく等、日常生活に不便がないようにする)などに分けてしまうことも有効な方法と考えられます。


②ポジティブバイアス(Positive Bias)とは、物事の良い面のみを見てしまい、ネガティブな情報には目を背ける傾向が強くなる、という認知バイアスの1つで、楽観性バイアスとも言われています。例えば、宝くじを買う場合に、たとえ当選確率がどれほど低くても自分が当たる確率は大きく見積もってしまうことや、事故にあう確率や病気になる確率はある一定数あるのに、自分は事故にあわない、病気にならない(もしくは、なりにくい)と根拠なく考えてしまうことが当てはまります。仮に事故あったり病気になったりした場合には、多額のお金が必要になるケースもあると思いますが、そのような場合には保険に入っていないことを後悔することになりかねません。保険の本質とは、めったに起こらないが、もし起こった場合に、自分の蓄えでは賄えない可能性があり、そしてそれがいつ起こるのかわからないこと、に対する備えでもあります。保険の見直しが重要になってくるのは人生のステージによって必要になってくるもの(不必要になるものや掛け過ぎになっているものも含めて)が異なってくるためです。不必要な保険を減らし、必要な備えをするためにも、保険の見直しが必要になってくることもあります。


いかがでしたでしょうか。一度で行動経済学のすべてをご紹介することは難しいので、次回以降も引き続き行動経済学の紹介をしていきたいと思います。


次回も皆様の役に立つ情報を発信していきます。