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投資の基礎 海外情報編 パンデミック下での経済予測がなぜ難しいのか

投資の基礎 海外情報編 パンデミック下での経済予測がなぜ難しいのか

こんにちは。

exit.です。

今回ご紹介するのはHarvard Business Reviewの2020年5月18日の記事「Why Economic Forecasting Is So Difficult in the Pandemic」です。


コロナショックがいつ終わるのか、第2波や第3波がいつ来るのか、来るとしたらどのくらいの規模になるのか、ワクチンはいつ開発されるのか、など多くのことがまだまだ不透明・不確実な中で各国政府や各国の中央銀行は政策を実行しています。


今回この記事を取り上げるのは、投資家(個人投資家や金融機関などの機関投資家)が様々な景気予測や経済予測をしながら投資を行いますが、人や企業によっては全く異なる予想・予測を出しています。なぜ、人や企業によって違ってくるのでしょうか?記事の中では大きく3つの理由に分けて説明がされています。


1つ目の理由は、当たり前のことなのですが、誰一人として将来何が起こるのかを予測できないためです。国会や中央銀行の政策が決定されるまでの間に時間がかかります。そして、政策が決定されてから実行されるまでにはさらに時間がかかります。そして、その政策の効果が出てくるのはそのさらに後になります。そして、絶え間なく変わっていく政策や状況を常に理論に組み込んで予測をしていくのは困難と言わざるを得ません。


2つ目の理由は、今回のパンデミックでマクロ経済の基盤となる経済データへの信頼性が揺らいでいることです。ロックダウン(都市閉鎖)による影響を調査しようと企業や家庭に依頼をしても返答率が低くなり、サンプルとしては不十分もしくは不備のあるものになってしまいます。都市閉鎖時に返答が返ってきたものを、代表的なデータとして信用できるものなのかどうか、ということを慎重に考えなければなりませんし、レストランが休業しているのに物価への影響を測るための調査にはレストランの価格が含まれている、ということもあります。こうなってくると、物価のデータでさえ信用性が薄くなってしまいます。


3つ目の理由は、まだまだ新型コロナウイルスに関しては不明な点もあるため、経済学者をはじめとした専門家でさえも、各国のコロナの再発や拡大について慎重に見積もりながら、疫学についても理解を深めながら考えなければならないためです。これは、経済学者だけではなく健康専門家の問題でもあります。将来の公衆衛生への介入(マスクや手洗いの徹底など)や医療システムへの影響を予測することは、特にコロナウイルスの流行の初期段階の国では困難になります。さらに、治療法やワクチンの開発、第2波の可能性などについての明確なタイムラインは存在しえません。


以前のコラムでも書きましたが、コロナ後の経済予測については様々な説があります。コロナウイルスの世界での感染者数や死者数によっても経済予測は大きく変わってきます。ただし、各人がマスクや手洗い徹底していけば感染拡大を防ぐこともでき、経済的な影響も最小限に抑えることもできるのではないかと思います。


また、株価に目を向ければ、経済への影響がまだまだ不明な中で上昇を続けています。東証一部に上場している企業のうちのおよそ6割が来期の業績見通しを非開示としています。株価を現在の企業業績で評価すると割高となり(東証1部上場企業の予想PERは約24倍)、将来の株価予測が業績予想を利用できないため、割高などの判断ができない状況となっております。当面のリスク要因はコロナウイルスというよりも米中の対立の行方にシフトはしていますが、経済がコロナウイルスのせいで大幅に悪化して立ち直るのに時間がかかるとなった場合、再度リスク要因がウイルスに移り、株価が調整するシナリオも否定はできません。

※本コラム執筆時(2020/5/26時点)です


以下が今回紹介しました記事のリンクですので、興味がございましたら一度ご覧ください。

https://hbr.org/2020/05/why-economic-forecasting-is-so-difficult-in-the-pandemic


コロナ後の経済予測についてどのような説があるについては以下のコラムで取り上げております。


次回も皆様に興味を持っていただけるような情報を発信していきます。


※本コラムは情報の提供を目的としています。投資はくれぐれも自己責任にてお願い致します。