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投資の基礎 投資信託編 第3回目 ヘッジファンドの投資戦略について

投資の基礎 投資信託編 第3回目 ヘッジファンドの投資戦略について

こんにちは。

exit.です。

今回はヘッジファンドの主要な投資戦略について紹介していきたいと思います。


昔は最低投資金額が1000万円以上からなどとなっており、富裕層しか投資ができないイメージがありますが、近年ではヘッジファンド型投資信託などが商品として出ており、敷居が下がったような印象があります。報酬体系としても「2-20」と言われる、管理報酬2%、成功報酬20%と言われるものが有名です(近年ではこの方式ではなく、報酬が下がってきているようです)。


ヘッジファンドには、大きく分けて3つの基本戦略と8つの投資戦略がありますので、それぞれ紹介していきたいと思います。


(1)レラティブ・バリュー戦略

相対的価値を意味するもので、理論価格と市場価格の歪みや個別証券間の相対的な価格の歪みを見つけ、その解消に伴って発生する収益を狙う投資戦略です。

1. 債券アービトラージ戦略

同一証券の現物価格と先物価格など本来一物一家の者の価格差を見つけて、割安な方についてはロング、割高な方にはショートを同時に行うことにより、リスクを負わずに得られる利益を狙う投資戦略です。

2. 転換社債アービトラージ

転換社債とは株式に変えることができる権利のついた社債のことです。株価が下がり、転換社債との価格差が乖離している転換社債を買い、その企業の株式を空売りする戦略です。

3. 株式マーケット・ニュートラル戦略

株式市場全体の変動に左右されることなく、個別証券の変動要因から収益を狙う手法。相対的に割安な個別証券のロング・ポジションと相対的に割高なショート・ポジションを適切な割合で組み合わせることで、市場リスクを理論的に除去し、いずれ証券価格が適正水準に修正されることで発生する収益を狙う戦略です。

※レラティブ・バリュー戦略は基本的には買いと売りを組み合わせることによってリスクを抑えながら収益を狙う戦略と言えます。


(2)ディレクショナル型戦略

マーケット(相場)の方向性を予測して、値上がりが見込まれる資産に対して買い(ロング)ポジション、値下がりが見込まれる資産に対して売り(ショート)ポジションを取ることで収益の獲得を目指す戦略。

1. 株式ロング・ショート戦略

株式市場の変動による収益とともに、個別証券の変動要因からも収益を狙う戦略です。相対的に割安な個別証券のロング・ポジションと相対的に割高なショート・ポジションを組み合わせて、証券価格が適正水準に修正されることで発生する収益を狙う戦略です。多くのファンドはネットでロングのポジションを取っています(証買い越しをしています)。

2. グルーバル・マクロ戦略

世界各国のGDP、金利、為替レートなどの経済マクロ指標などの予測に基づき、制度や政策の歪みや為替介入によって、株式、債券、コモディティ、為替などが理論価格や理論レートから大きく乖離したときにそれらの収束によって収益が出るように、世界の様々な金融商品をロング・ポジションやショート・ポジションで持つ戦略です。

3. ショートバイアス

割高と考えられる株式のショート(空売り)ポジションを取ることです。

※ディレクショナル戦略は、市場の方向性を読みながらポジションを取るため、収益の幅(リスク)は大きくなりがちです。


(3)イベント・ドリブン戦略

合併、買収、提携、リストラ、破産など企業価値に大きな影響を与えるイベントが、市場価格に反映されるまでの価格の歪みを投資機会として利用して収益を上げようとする投資戦略。

1. ディストレス

経営状況が悪い(破産しているもしくは破産寸前)企業の社債や株式を購入し、購入価格と清算価格の差額や企業再生がうまく行った場合の価格上昇によって収益を得る戦略です。

2. 合併・買収アービトラージ

一般的に買収する側の株価は財務内容の悪化が懸念されて下がり、買収される側の株価は需給要因から上がる、という認識の下で実行される戦略です。買収する側の株価が以前の価格まで戻り(もしくは以前の状態以上に株価が上がる)、買収された側の株価の需給が落ち着き株価が下がることを見越して、株式の売買を行います。

※イベント・ドリブン戦略は、利幅が大きくなりますが、収益が突発的なイベントに起因することが多いため、収益の予測がつきにくくなってしまいます。


次回も皆様のお役に立つような情報を発信していきますので、宜しくお願いします。


※本コラムは情報の提供を目的としています。投資はくれぐれも自己責任にてお願い致します。