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投資の基礎 財務諸表編 第1回目 財務3表について

投資の基礎 財務諸表編 第1回目 財務3表について

こんにちは。

exit.です

今回は、財務諸表の基本的な話をしていきたいと思います(次回以降も引き続き財務諸表の話はしていく予定です)。


株式投資を行う際には、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析といった分析方法がとられますが、財務諸表を読み解く能力はファンダメンタルズ分析を行う際には非常に有効となります。

※もちろん、株式投資の際には、財務諸表以外の重要な要素は多くあります。


財務3表とは、損益計算書(Profit and Loss)、貸借対照表(Balance Sheet)、キャッシュフロー計算書(Cash Flow Statement)から成ります。ただし、国際財務報告基準(IFRS:International Financial Reporting Standards)ではそれぞれ、包括利益計算書(Statement of Comprehensive Income)、財政状態計算書(Statement of Financial Position)、キャッシュフロー計算書(Statement of Cash Flows)となります。


【1】貸借対照表(B/S)

貸借対照表は企業が一定時点において所有するすべての資産と負債、純資産(株主資本)を表示した企業の財務状態を表すものです。

「(借方)資産=(貸方)負債+純資産」が成り立ち、貸借が一致することより、バランスシートともいわれています。貸借対照表の分析指標として重要なものを数点以下に記載しておきますので、ご自身が個別株式に投資をする際には、一度計算してみることをお勧めします(証券会社によってはこれらの情報が提供されている場合もあるかと思います)。

流動比率:流動資産/流動負債←120%が標準的と言われていますが、業界によってもちろん異なってきます。

当座比率:(現金+売掛金+有価証券)/流動負債←流動比率より保守的な数値を確認したい際に利用します。

自己資本比率:自己資本/総資産←30%が一つの目安とされています。


【2】損益計算書(P/L)

損益計算書は一定期間の企業の経営成績を表示することを目的として作成されます。

まず、5つの利益について簡単に触れていきます。

売上総利益(粗利益):売上高-売上原価

営業利益:売上総利益-販売費および一般管理費

経常利益:営業利益+営業外収益-営業外費用

※営業外収益/損失に含まれるものとしては、受取利息や支払利息などがあります。これらは、主に会社の財務活動に付随して発生するものであり、毎期経常的に発生すると考えられている項目です。

税引前純利益:経常利益+特別利益-特別損失

※特別利益/損失に含まれるものとしては、固定資産売却(損)益や災害などによる損失や災害によって被った被害に対する受取保険金のような、臨時的に発生する非経常的な要素を含んだものです。

当期純利益:税引前純利益-法人税等


【3】キャッシュフロー計算書(C/F)

①営業活動によるキャッシュフロー

本業によるお金の出入りを表しており、ここはプラスであることが必須となります。ここでマイナスになっている場合には、本業でお金を稼げていないということになります。

②投資活動によるキャッシュフロー

積極的に投資を行っている場合はお金の出が多くなるので、マイナスとなります。投資の回収(有価証券の売却等)があった場合はお金の入りが多くなるのでプラスとなります。ここは、マイナスのほうが良くてプラスのほうが悪いということを意味しません。

③財務活動によるキャッシュフロー

配当金の支払いや借入金の支払いをするとマイナスになり、 借り入れなど行うとプラスになります。ここは会社の財務戦略と紐づいてきます。

※一般的には、営業活動によるキャッシュフローから投資活動によるキャッシュフローを引いた値がプラスであればその会社はフリーキャッシュフローを生み出しているとなります。フリーキャッシュフローとは、企業が自由に使えるお金のことで、フリーキャッシュフローがあってはじめて企業は配当や借り入れの返済、さらなる事業投資を行うことができます。


財務諸表は企業分析の基本となりますので、大まかにでもいいのでイメージをつかんでいただくことが大切です。この財務諸表3表については、わかりやすく解説されている書籍も多く出版されていますので、1冊チャレンジしてもらえればよりイメージがしやすくなると思います。


次回から3回に分けて貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書をもう少し詳しく説明していきますので、宜しくお願いします。


※本コラムは情報の提供を目的としています。投資はくれぐれも自己責任にてお願い致します。