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投資の知識 基本編 リスクについて

投資の知識 基本編 リスクについて

こんにちは。

exit.です。

今回は正しいリスクの理解と代表的なリスクについてのお話です。


皆様はリスクという言葉を聞いてどういう印象がお持ちでしょうか?

「ハイリスク・ハイリターンやローリスク・ローリターン」という文脈の中で聞いていて、「リスク=損失」というイメージでしょうか?


それが間違っているわけではありませんが、正しい本来のリスクの意味ではありません。


リスクの本来の意味合いは、「不確実性」のことであり、もう少しわかりやすく言うと「損益のブレ」のことです。利益が出れば元本を上振れしたことになり、損失を出せば、元本から下振れしたことになります。そのため、この定義に従えば、「ローリスク・ハイリターン」な投資は存在せず、リターンとリスクは比例する関係(ハイリスクなものはハイリターンで、ローリターンなものはローリスク)であることがわかっていただけるかと思います。


そして、リスクには様々なタイプのものがあります。例えば、価格変動リスク、為替変動リスク、金利変動リスク、流動性リスク、信用リスク、カントリーリスク、ソブリンリスクが代表的なリスクになります。


①価格変動リスク

例えば100万円で購入した株が80万円に値下がりしたり、120万円に値上がりしたりするような、価格が上下するリスクです。投資をする際のリスクとして、真っ先に上がってくるものだと思いますので、イメージもしやすいと思います。


②為替変動リスク

日本に住み、日本円で日本の債券などに投資を行っていれば、基本的には発生しませんが、外国株式に外貨建てで投資をする場合には、発生します。為替レートの変動で、外貨建て資産を日本円で評価した場合に上下することを言います。

例えば1ドル=100円の時に100ドルの株を買った(円換算で10,000円)場合、円安で1ドル=120円になった際に円換算すると12,000円となり、2,000円の評価益が出ます。その逆に円高で1ドル=80円となった場合に円換算すると8,000円となり2,000円の評価損が出ます。


③金利変動リスク

債券に投資をする際に、債券の価格は金利に影響されます。金利が上昇すると、債券価格は下落します。そして、金利が下がれば、債券価格は上昇します。


④流動性リスク

投資対象の資産の現金化のしやすさのことです。

例えば、取引量が少ない海外通貨で投資を行った際、日本円にスムーズに交換できない可能性があります。また、倒産寸前の会社などの株式であれば、売り手が多く買い手が少ない状態になることが想定されます。そのような会社の株式を売却して、現金化をしようとしても、買い手がつかず、現金化できない(もしくは現金化しにくい)状況に陥るかもしれません。このようなリスクが流動性リスクです。


⑤信用リスク

企業において、経営悪化により株価が下がったり、会社が倒産したりして、株や債券(社債)が無価値になるリスクですムーディーズやS&Pグローバル・レーティングなどが有名です。S&Pグローバル・レーティングではBBB以上の格付け、ムーディーズではBaa以上の格付けが投資適格となり、それ以下の場合は、投資不適格(投機的格付け)となります。

※日本では、日本格付研究所が格付けを行っています。


⑥カントリーリスク

国の政治・経済・社会などの環境変化によって、株価や為替レートの大きな変動などを被るリスクのことです。このリスクには、大規模なデモ(政治)、外資規制(経済)、失業者の増加(社会)などが含まれます。

例えば、日本における地震や台風による被害などにより、日本の株式市場などに影響が出る、というのは日本に投資する際のカントリーリスクと言えます。


⑦ソブリンリスク

政府や中央銀行、または地方自治体に投資(国債などの債券購入)時におけるリスクのことです。このリスクが高まることは、その国の信用が国際的に下がることを意味します。ギリシアの国債を購入した場合のギリシア政府が破綻することはソブリンリスクになります。


以上、簡単ではありますが、正しいリスクの定義と投資をする際の代表的なリスクについてまとめました。


不景気になった時に、自分の投資している国や企業の債券が大きく値下がりし(金利変動リスク)、さらに財務内容が悪くなってしまった結果(信用リスク)、取引量が減り現金化できなくなってしまった(流動性リスク)、とならないためにも、自分が投資しているものにどのリスクがどの程度含まれているのかを考えておくことはとても重要です。


次回も皆様に役立つ情報を発信していきたいと思います。