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世界経済 フィリピン編 第1回目

世界経済 フィリピン編 第1回目

こんにちは。

exit.です。

今回は、フィリピンに出張に行きましたので、その時に得た情報を皆様にお届けできればと思います。

更新の予定としては、

第1回目(今回):フィリピンの基本情報

第2回目:フィリピンの出稼ぎ労働と為替市場

第3回目:フィリピンの経済の課題と今後の可能性について

の全3回構成を予定しています。


・経済

通貨はフィリピンペソ(PHP)で、現在では大体1フィリピンペソが2.2円となっています。物価は日本と比較すると安いのです。高級レストランやホテルでは料金は高くなるものの、それでも日本と比較をすると安く感じました。

GDPは2018年で約3,300億ドル、人口は約1億600万人です(International Monetary Fundより)が、戸籍のない人たち(特に子供たち)もいるようですので、実際はこの数値よりも多いとみられています。人口に関しては2020年には1億1,000万人を超えると予想されており、経済についても、増え続ける人口と民間消費支出などに支えられ年率で6%を超える高い経済成長をするだろうと予測されています(2019年では6.0%、2020年では6.2%の経済成長が予測されています)。また、人口ピラミッドも理想的なきれいな三角形の形になっており、まだまだフィリピン経済は人口ボーナスを享受して経済成長を続けていると考えられています。

スペインの植民地であったことから経済的には、サン・ミゲルやアラヤなどのスペイン系の財閥企業や、戦後に影響力をつけてきた中国系の財閥の影響が大きく、フィリピン経済の8割以上を占めるとも言われています。

現在の大統領のドゥテルテ氏は財閥系とのつながりが薄い大統領であるため、財閥の優遇を伴わない経済政策面での改革が期待されています。

※フィリピン経済における財閥の影響力が非常に強く、そのことに起因する貧富の格差が問題となっています。ドゥテルテ大統領には格差の改善をもたらすような政策が期待されています。


・時差

日本との時差は1時間です。飛行機では関西国際空港から4時間ほどで東京からでも5時間から5時間30分くらいで到着します。フィリピン国内では時差はありませんので、セブ島でもマニラでも日本との時差は1時間です。また、サマータイムは実施をしていません。


・言葉

公用語となっているのは、英語とタガログ語(フィリピノとも呼ばれます)の2つです。スペインの植民地時代があったため、現地の言葉はスペイン語の影響を受けています。そして、アメリカの植民地時代もあったため、英語が通じます。また、くせの少ない英語を話すため、近年ではコールセンターをはじめとしたBPO(Business Process Outsourcing:企業運営上の業務を外部委託することです)が増えてきています。英語については発音がきれいな人が多かったので、英語でのコミュニケーションは非常に取りやすいと感じました。訛りがある人とも話しましたが、言っていることがわからない、というようなレベルの人ではありませんでした。


・宗教

東南アジアで唯一のキリスト教国ですが、一部イスラム教の地域もあります。カトリックでは中絶を宗教的に禁止しているため、出生率が高くなっており、人口抑制策はとれない国の状態となっています。

フィリピンの市場の様子。クリスマスが近かったこともあり、市場内も飾られてました。


・歴史

もともとスペインの植民地です。16世紀当時のスペインのフェリペ皇太子(フェリペ二世)が名前の由来となっています。その後、アメリカスペイン間の戦争を経て、1858年からはアメリカ領となりました。第二次世界大戦中に、日本軍の統治下に入りますが、1946年に独立して今に至っています。

※第二世界大戦では、レイテ海沖戦やマニラの戦いなどの激戦があったことでも知られています。

※マルコス独裁政権崩壊の後のフィリピンは、政治的及び経済的に迷走したため「東南アジアの病人」と呼ばれていたこともあります。


次回は、フィリピン経済を支える一翼となっている出稼ぎ労働についてとそれが為替に与える影響について書いていきたいと思います。ここまでお読みいただきましてありがとうございました。