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世界経済 2024年3月の日米欧の金融政策会合を振り返る

世界経済 2024年3月の日米欧の金融政策会合を振り返る

こんにちは。

exit.です。

今回のコラムでは、日銀政策決定会合、FOCM、ECBなどの金融政策に関する会合についてまとめたいと思います。


まずは、3月18日~19日にかけて行われた日銀政策決定会合についてです。以前からマイナス金利解除の可能性については言及されていましたが、今回の会合でマイナス金利解除となりました。これにより、短期金利は0.0%~0.1%(無担保コール翌日物)となります。またYCC(イールドカーブコントロール)についても、役割を果たしたとして撤廃を決定しました。ETFやREITの購入に関しても新規購入の終了を決定しています。植田日銀総裁は記者会見で、賃金と物価の好循環を確認し、2%の物価安定目標が持続的・安定的に見通せる状況となっていると発言しています。ただし、当面は緩和的な金融環境が継続し、急激な利上げは避けられること、預金金利や貸出金利が大幅に序章するとは考えていないことも併せて述べています。国債の将来的な購入額の減額についても触れられている内容になりました。


3月19日~20日にかけて行われたFOMCでは、政策金利の据え置きが決定されました。ドットチャートでは年内3回利下げとなっていますが、変化が見られたのは2025年の利下げの回数で前回の4回から3階に変更となっています。また長期金利についても2.5%から2.6%へと0.1%ではありますが、上振れしています。パウエル議長の会見内容はハト派とみられていますが、2025年や2026年及び長期の金利の見通しを見ると単純にハト派と解釈してよいのかは疑問が残る形にはなっています。会見の内容では、最近のインフレ率の上昇は一時的な変動の可能性があると発言をしていますが、インフレ率の低下を確認しながらの慎重な利下げとなることが予想され、長期の金利水準が上方修正をされているため利下げ終了時の金利の水準を押し上げる可能性があります。


ECBは3月7日に政策理事会を開きました。政策金利は据え置きでインフレ圧力は低下しているが賃上げ圧力が残っているという従来の説明を繰り返す内容でした。利下げ開始の予想は6月からとなっています。イングランド銀行(英中央銀行)も金利は据え置きを決定しています。ただし、同じヨーロッパでもスイス国立銀行3月21日に政策金利を1.75%から1.50%へと変更することを発表しています。主要な欧米諸国の中央銀行で利下げに転じた初の銀行となります。


マイナス金利を解除した日銀ですが、続けて利上げをできるのか(利上げを行うのか)は不透明であり、景気や財政政策のことを考えるとなかなか利上げの実行に向けてのハードルは高く見えます。FRBやECBなどは利下げに向けて様子を見ている状態ですが、利下げ終了時の金利についてはどの水準に落ち着きそうかはまだわからない状態です。株式市場は日銀政策会合の後やFOMCの後に上昇をしましたが、特にアメリカでは利下げが遅すぎて景気を腰折れさせるのか、利下げが早すぎてインフレを再燃させるか、どちらの可能性の方が高そうかという話題が出ています。今後の金融政策決定会合についても引き続き注目をしてみたいと思います。


次回も皆様のお役に立つ情報を発信していきます。


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