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投資の知識 新NISAでの高配当株式への投資について

投資の知識 新NISAでの高配当株式への投資について

こんにちは。

exit.です。

今回は新NISAの成長投資枠で投資対象として注目を集めている高配当株式への投資について取り上げたいと思います。


新NISAの成長投資枠はつみたて投資枠とは異なり、個別の株式などにも投資を行うことが可能となっています。成長投資枠は1年あたり240万円で合計は1,200万円ですので、最短で5年で枠を使い切ることが可能となっています。新NISAが始まる前から成長投資枠で高配当株式への投資を勧める内容の記事などが目立っていますが、以下では少し高配当株式への投資のリスクについて述べていきたいと思います。


そもそも配当金の原資は企業が稼ぎ出した利益となります。そこで、大切になってくるのが、決算内容などを確認して一株当たり利益(EPS)と一株当たりの配当金を見比べて、一株当たり利益より大きな配当を出していないか、1株当たり配当額を1株当たり利益で割った配当性向が高すぎないかをチェックする必要があります。利益より配当金が多いような状況は長くは続きませんし、配当比率が高すぎる場合も、決算が少し減益となればすぐに減配(配当金を減らすこと)という結果につながりかねません。高配当株式の場合は、減配や無配(配当金を出さないこと)がそのまま株価に直結してきます。特に個人投資家に人気のある銘柄や証券会社の人気ランキングに乗ってくるような銘柄の場合であれば、下落幅(下落率)も大きくなってくるリスクがあります。特に、新NISAで投資をしている場合は、損益通算ができませんので、塩漬け(損切りできない状況で含み損の株を保有し続けることになること)をするしかないような状況になってしまいます。銀行、海運株や鉄鋼株が高配当の人気企業としてランキングに乗ることが多いですが、海運株や鉄鋼株は景気の変動を受けやすく減配のリスクが比較的高い銘柄群となります。金融関係の銀行株は下半期の無配を発表したあおぞら銀行のようなパターンがあります。有価証券ポートフォリオの組み換えでの損失や保有資産(主に不動産を含めた投資先)の減損が発生したり、景気後退で大規模な企業の倒産が相次いで発生したりすると業績に大きな影響を与え、減配となる可能性があります。


減配や無配のリスクを避けるためには、業績の安定した企業に投資することになりますが、なかなかそのような銘柄を見つけることの難易度が高いと感じる方もいるかもしれません。その場合は、ETFを通じて高配当株式への投資を行うことが無難な選択だと考えられます。ETFであれば、複数の企業をポートフォリオとして組み込んでいますので、数社の減配や無配がETFの配当金に影響を与えることは少ないと思われます。ただし、結果として配当利回りが低下する場合は、売られる局面もあるとは考えられます。高配当株式ETFとうたっていてもポートフォリオに組み込まれているのが、業績の景気に対する感応度が高いものばかりの場合だと、将来的な利回りの低下(減配や無配に転落するなどによるもの)につながるリスクはありますので、注意は必要になります(個別株式よりもリスクは分散が効いている分リスクは抑えられると思います)。


東証からの企業に対する変革・改革への要望もあり、配当や自社株買いなどで株主還元に積極的な企業は増えていますが、無理な配当政策や自社株買いでは長く株価を支える材料とはなりませんが、一時的に高配当や高還元を狙う投資家を惹きつけることはできます。特に新NISAで投資をする場合には、その投資対象となる企業やETFを慎重に見つける必要があると考えられます。


次回も皆様のお役に立つ情報を発信していきます。


本コラムは、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。投資判断は投資家の皆さまの自己責任でお願い致します。


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