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世界経済 海外企業編 Arm Holdings plc

世界経済 海外企業編 Arm Holdings plc

こんにちは。

exit.です。

今回は、2023年11月8日に第二四半期の決算発表を行ったArm Holdings plc(以下、アーム)(ティッカー:ARM)について取り上げたいと思います。


アームはソフトバンクグループ傘下でイギリスのケンブリッジに本社を置いている、半導体(CPU、GPUなど)の設計や関連サービスを提供するファブレス企業です。「Acorn Computers」「Apple Computer」「VLSI Technology」の合弁事業として同社は1990年に設立されました。1998年から2016年までロンドン証券取引所とナスダックに上場していましたがソフトバンクグループによる買収(買収額320億ドル)に伴い非公開化され、その後、ソフトバンクグループ傘下である「ソフトバンク・ビジョン・ファンド1(SBV1)」に株式売却を行っています。2023年8月21日に上場をSECに申請し、同年9月14日にナスダックに上場を果たしました。アームの強みは、アームの設計している半導体(チップ)がほぼ100%のスマートフォンに利用されている点にあります。主要顧客にはAppleとGoogleがいるため、iPhoneやAndroid携帯が売れれば売れるほど、アームの技術・設計が利用されている半導体が売れる仕組みになっています。

※ファブレス企業=自社で工場を持たない企業


アームの第二四半期の決算ですが、売上高の実績は8.06億ドルで市場予測の7.46億ドル、一株当たり利益(EPS)は実績が0.36ドルでこちらも市場予測0.26ドルを上回りました。しかし、第三四半期のガイダンス(見通し)については、売上高7.2億ドル~8.0億ドルで市場予測7.72億ドル、一株当たり利益も0.21ドル~.028ドルで市場予測の0.27ドルで上振れすれば市場予測を上回る可能性があるものの全体としては微妙なものとなっています。通期のガイダンスは売上高29.6億ドル~30.8億ドルで29.6億ドル、一株当たり利益は1.00ドル~1.10ドルで市場予測の1.00ドルで売上高及び一株当たり利益の両方で市場予測を上回るガイダンスを発表しています。損益面を見ますと、売上高は前年比で+28%(四半期での売上高8億ドル到達は初めて)、売上総利益も前年同期比で+29%と高い伸びを示しています(売上総利益率は96.8%)。ライセンス及びその他の売上高が前年同期で106%と倍以上に伸びていることが主要因となっています。次に貸借対照表を見ると、流動資産が34.4億ドルに対して流動負債は7.95億ドルで、流動比率は400%を超えています。自己資本比率も70%ほどとなっており高い安定性を確認することができます。最後にキャッシュフローを見てみますと、第二四半期での営業活動に係るキャッシュフローは2.27億ドルで、投資活動に係るキャッシュフローは-0.47億ドルですので、フリーキャッシュフローは1.8億ドルのプラスとなります。財務活動に係るキャッシュフローは-0.24憶ドルで営業活動に係るキャッシュフローで十分にまかなえています。


アームは工場を持たないファブレス企業であり、そのメリットとしての固定費の削減や投資に係る資金の調達の必要が少ないという点があります。アームの決算書を見ても固定資産の少なさ(大半は「のれん」です)や投資キャッシュフローの中身で確認ができます(損益面での費用の多くは研究開発費にはなっています)。ファブレス企業のデメリットとしては、情報管理の難しさ(機密保持)や生産過程・品質管理面でのノウハウの獲得がしづらいなどがありますが、アームはそのデメリットをうまくコントロールしながら経営していると考えられます。


以下は、アームの投資家情報(IR)へのリンクです。

https://investors.arm.com/


次回も皆様のお役に立つ情報を発信していきます。


本コラムは、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。投資判断は投資家の皆さまの自己責任でお願い致します。


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