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世界経済 日米欧の金融政策会合を振り返る

世界経済 日米欧の金融政策会合を振り返る

こんにちは。

exit.です。

今回は9月13日~14日のECB理事会、19日~20日のFOMC、22日の日銀の金融政策決定会合について取り上げたいと思います。


まずECB理事会の内容ですが、こちらは「金利据え置き、年内追加利上げの可能性」という事前の市場予測とは異なり、政策金利の0.25%引き上げを決定しました。これにより、政策金利は4.50%となりました。政策決定後の為替市場では、ユーロ安に振れる結果となりましたが、これはラガルド総裁の声明文の内容が、タカ派姿勢を弱めていると判断されたためだと考えられています。そのように判断された理由としては、今回の政策金利の引き上げが利上げの打ち止めを示唆するような内容を含んでいたためです。またGDP予測も前回(2023年6月)に示された数値よりも低くなっていたこともタカ派を弱めたと考えられる要因であったと思われます。インフレ率に関しては、EU圏でみるとピークアウトしたような様相となっていますが、国ごとに見るとばらつきが大きく、ECBの判断を難しくさせる要素の一つとなっている可能性があります。国ごとのインフレ率などの経済データのばらつきが大きいままだと政策判断に影響を与えるかもしれません。


次にFOMCですが、こちらは市場予測通りに利上げはなく、金利据え置きとなりましたが、金利については年内の追加利上げの予想が過半数を占めることとなりました。また、ドットチャート(政策金利見通し)が更新され、2024年の金利については前回よりも引き上げられました。市場は2024年に1%(4回)の利下げを見込んでいましたが、今回の更新では0.5%に縮小され、タカ派的な内容となりました。これにより「Higher for Longer(政策金利をより高く、そして長く維持させる)」が意識されることとなりました。GDPの成長率に関しては、長期では1.8%としている点は前回から変更ありませんでしたが、2023年と2024年をそれぞれ上方修正させています(2023年:1.0%→2.1%、2024年:1.1%→1.5%)。現在のアメリカでは、FRBは金融引き締め政策を行っていますが、バイデン政権は国債の大量発行を行っており、金融政策と財政政策の間で大きなずれが生じており、金利環境に対してネガティブな影響を与えています。FRBの目標としているインフレ率や


最後に、日銀の政策決定会合ですが、こちらは年内にYCC撤廃やその時期などの手掛かりになるような発言を植田総裁が行うのではないかともみられていましたが、特にそのような手掛かりとなるような発言はなく金融政策としては現状維持の決定としています。ただし、年内に金融政策を変更する可能性については依然として残っていますので、次回の10月30日~31日、そして特に年内最後の12月18日~19日の政策決定会合には注目が集まるのではないかと考えています。インフレ率が下がると日銀は予測をしていますが、為替レートが円安に振れ続ける状況は輸入物価を押し上げることになります。日銀の予想に反して物価が上昇を続けた場合は、物価の見通しの上方修正と金融政策の方向転換を余儀なくされるのではと考えられます。


今回の金融政策決定会合については、予想外の利上げを行ったがタカ派のトーンを弱めたECB、金利を据え置いたが金利見通しについてはタカ派的となったFRB、特にサプライズもなく現状維持を決定した日銀と三者三様となっています。相場は、特にアメリカの長期金利上昇が注目されています。一端の節目とみられた10年国債の利回りの4.5%を超えてきています。この長期金利がどこまで上昇するのか、どの水準で落ち着くのかを見極める段階にあると思われます。


次回も皆様のお役に立つ情報を発信していきます。


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