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世界経済 海外企業編 Nvidia Corporation

世界経済 海外企業編 Nvidia Corporation

こんにちは。

exit.です。

今回は、2023年5月24日に第1四半期の決算を発表したNvidia Corporation(以下Nvidia)(ティッカー:NVDA)について取り上げたいと思います。


Nvidiaは1993年4月5日に設立された半導体のメーカーで、CEOは台湾系アメリカ人のジェンスン・フアン氏です。現在は、カリフォルニア州サンタクララに本社を構えている、ファブレス(工場を持たない、企画設計・販売などに特化した)企業です。Nvidiaは1999年1月22日にNASDAQに上場しました。


Nvidiaの第1四半期の決算ですが、売上高の実績は71.9億ドル、市場予測(コンセンサス)は65.2億ドルでした。一株当たり利益(EPS)の実績は1.09ドルでコンセンサス0.92ドルをこちらも超えてきました。第2四半期の予測(ガイダンス)は110億ドル±2%であり、予想71.5億ドルを大幅に超えてきています。


Nvidiaの決算についてもう少し詳しく、まずは損益計算書から見ていきます。売り上げの中でもデータセンター向けのGPUが大きく伸びており、今期の売り上げは42.8億ドルとなっています(記録的な売上高です)。これは、ChatGPTなどに代表されるGenerative AI(生成AI)だけではなく、Stable Diffusionと呼ばれる画像生成AIも関係していると考えられます。そして今のアメリカのベンチャー企業はAI(Generative AIとStable Diffusionの両方)に関係するスタートアップ企業が多くなっており、資金調達や部品の調達が活発化しています。その中で、ベンチャー企業は部材を抑えるためにまずは採算を後回しにしてNvidia注文をかけている状態になっていると考えられます。また、グーグルやアマゾン、マイクロソフトやオラクルも主要顧客であり、大口の注文が続きそうです。このことが、今回の決算及び来期のガイダンスに影響を大きく与えているとみることができそうです。粗利率としては66.8%で前期の67.1%から0.3%下がっています(Non-GAAPベース)が、安定的に推移しています。純利益は27億ドルほどで、純利益率は約37.7%とこちらも高い水準になっています。貸借対照表では、純資産を総資産で割った自己資本比率は55%、流動資産を流動負債で割った流動比率は340%であり、財務基盤が強固であることが見て取れます。また、負債の中身についても流動負債及び固定負債ともに大きく増加している訳ではありません。最後にキャッシュフロー計算書を見ていきます。営業活動に係るキャッシュフローと投資活動係るキャッシュフローの差額であるフリーキャッシュフローは23.6億ドルで、配当金支払いなどのキャッシュアウトを入れても十分にキャッシュが残る内容となっています。

※GPUとは、Graphics Processing Unitの略でリアルタイムでの画像処理に特化した演算・処理装置のことで、家庭用ゲーム機などにも使用されています。


AIブームが長続きするのであれば非常に大きな恩恵を受ける会社ですが、半導体業界は浮き沈みがある業界でもあります。今回のNvidiaの決算に牽引される形でAI関連企業や半導体メーカー(半導体製造装置メーカーも含めて)の株価が大きく上がっています。指数でもダウ工業平均よりもNASDAQが大きく上がっています。今後この流れが長続きするのかそれとも短命(一過性のブーム)で終わってしまうのかに投資家の関心は集まると思われます。


以下のリンクはNvidiaの投資家情報(IR)です。

https://investor.nvidia.com/home/default.aspx


次回も皆様のお役に立つ情報を発信していきます。


本コラムは、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。投資判断は投資家の皆さまの自己責任でお願い致します。


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