NEWS

世界経済 5月2日~3日のFOMCの内容と今後のポイントについて

世界経済 5月2日~3日のFOMCの内容と今後のポイントについて

こんにちは。

exit.です。

今回のコラムでは5月2日から3日にかけて開かれましたFOMC(Federal Open Market Committee:連邦公開市場委員会)の内容と今後のポイントについて取り上げたいと思います。


今回のFOMCでは事前の市場予測通りに0.25%の利上げとなりました。この結果、政策金利(FFレート)は5.00%~5.25%となっています。今回の利上げで最後になるとの見方は強く、年内利下げの予測も根強く残っています。ただ、この点に関してはインフレ率が目標となる2%近くにならない限り利下げに転じることはなかなかしないのではないかと考えられます。


ジェローム・パウエル議長の記者会見の大まかな内容としては、銀行セクターは健全で強靭であるが引き続き注視していくこと、物価の安定がなければ経済は誰のためにも機能しないこと(引き続きインフレ率2%を目標とするが、その道のりは長くなることにも言及)、労働需給がより良いバランスに戻る兆候があること、今後の利上げを含めた金融政策については会合ごとに決定し事前に決め打ちはしないこと(利上げの打ち止めの可能性の示唆)、より強い引き締めが正当化される場合にはさらなる利上げを行うこと、となります。しかし、パウエル氏の銀行を巡る発言ののち、(パックウエスト銀行身売りのニュースなどが報道され)地銀の株価は大きく下落しました。現在は、地銀の株価についてはある程度値を戻し落ち着いた流れになっていますが、まだまだ油断はできないと考えます。ただし、銀行に関しては預貸率がリーマンショックのような100%を超える状況ではなく(銀行全体ではおおよそ60%~70%ほどで推移しています)、国債などの債券運用以外の手元に置いている現金も十分に保有しているとみられるため、リーマンショックのようなことが起こることは想定しにくい(個別の銀行の経営危機はあるかもしれませんが、銀行全体に波及する可能性は限定的である)と考えられます。


また現在、アメリカでは連邦債務上限問題に注目が集まっています。ジャネット・イエレン財務長官は、このままでは6月1日にも債務不履行になる可能性があると発言をしています。債務上限引き上げに失敗した場合の経済的な損失及びドルへの信認はアメリカにとって大きな打撃になるとしています。市場予測ではぎりぎりまでもつれるものの、基本的には民主党と共和党が債務上限の引き上げに合意すると考えられています。ただし、トランプ前大統領を支持しているグループのような一部の強硬派は反対を続けるのではとの予測もあります。2011年にも連邦債務上限がなかなか合意せず、議会が夏休みに入る直前に合意となった経緯があります。この時は、格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズがアメリカ国債の格付けをAAAからAA+に引き下げたことでアメリカ株を中心に調整を余儀なくされました(一番、株価への影響が大きかったのは新興国でした)。また今回の債務上限問題に関して、民主党と共和党の間の溝は前回の債務上限問題時よりも大きくなっていることも注目点だと考えられます。


ロシアによるウクライナ侵攻の継続、落ち着かないインフレ、高止まりする可能性のある金利、銀行の経営に関する問題や連邦債務上限問題等まだまだ注目される点が多く、資産運用に関して不安になることがあると思います。リスク資産(株式など)に対する現金比率を意識してポートフォリオを見直すなど、ご自身に合ったリスク許容度で投資を続られるようにしていただければと思います。


今回のFOMCの内容につきましては以下のページよりご確認いただけます。

https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/fomccalendars.htm


次回も皆様のお役に立つ情報を発信していきます。


本コラムは、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。投資判断は投資家の皆さまの自己責任でお願い致します。


以下のリンク(CONTACT)から弊社へのお問い合わせができます。節税をしたい、資産運用について考えたい、保険の見直しを行いたい、ライフプランについて考えていて相談をしたいことあるなどございましたら、お気軽にお問い合わせください。