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世界経済 12月のFOMCの内容について

世界経済 12月のFOMCの内容について

こんにちは。

exit.です。

今回は、12月13日から14日にかけて行われましたFOMC( Federal Open Market Committee:連邦公開市場委員会)の内容を中心に見ていきたいと思います。


今回のFOMCでは事前の市場予測通りに0.50%の利上げが行われ、政策金利は4.25%~4.50%となりました。2022年では、1月のFOMCこそ利上げは行われませんでしたが、3月0.25%、5月は0.50%、6月・7月・9月・11月と4回連続で0.75%の利上げと、大幅な利上げが注目される一年となりました。金利の見通しについては、2023年年末時点の政策金利は、5.00%~5.50%に多くの予測が集中しており、2023年中の金利に引き下げはないとする内容でした。2024年年末では、4.00%~4.25%に多くの予測が集まる結果となっており、より長期の金利の見通しとしては、2.50%前後に予測が集中しています。


FRB議長のジェローム・パウエル氏は会見で、インフレターゲットは2%を変更することはないこと、最近のインフレ率の上昇の鈍化は歓迎するが、まだまだ見極めが必要であること、データ次第でターミナルレート(政策金利の着地点)は変わることを述べています。また、次回のFOMCでの0.25%への利上げの可能性(利上げ幅の縮小)については否定しませんでした。また、12月13日に発表されたCPI(消費者物資数)は7.1%と市場予想の7.3%を下回りました。6月のCPIが9.1%でしたので、ピークアウトはしていそうですが、依然としてFRBのインフレの目標値である2%を超えた高い数値で推移をしています。


FOMC後の市場の反応についてですが、ダウ・ジョーンズやナスダック、S&P500などの指数は下げましたが、2年国債の利回りは12月12日の4.382%から4.216%に、10年国債の利回りは3.617%から3.479%へとそれぞれ下がりました。これについては、株式はパウエル氏のタカ派的な内容の会見を受けたことと金利の見通しが市場予測を上回っていたことから下げに、金利については、リセッションによる金融引き締めの緩和期待により下げている(債券価格の上昇)とみることができそうです。


株式市場や債券市場の来年の見通しについても触れておきます。今年は金融引き締めで株式市場が下落する逆金融相場と呼ばれる状態でした。今年の第4四半期(10月~12月)から来年の上半期にかけては企業業績の下方修正が目立ってくる逆業績相場になり、株式市場は引き続き下落する可能性が高いと予想する機関投資家も多くなっています。ただし、割安になっている新興国株式(国を選ぶ必要はあります)やバリュー株など狙い目のものもあるとは思いますので、そのあたりを狙って長期的な目線で投資をするとよいかもしれません。また、来年の前半も利上げが続くものとみられていますので、債券の利回りも比較的高く推移すると考えられますので、債券をポートフォリオに組み込んでおくと、インカムゲインと金融緩和を見込んでの債券価格の上昇を狙えるようになるのではと考えます。


今年の伝統的な60/40ポートフォリオ(株式60%、債券40%の割合でポートフォリオを作る)はコラム執筆時(2022年12月15日)では過去最低に近いリターンの結果となっており、この伝統的なポートフォリオはもう機能しないという記事も見られるようになりました。ただし、この1年だけをみて考えるのは短期的であると考えています。


積立投資はタイミングを計る投資ではないので継続でよいと思いますが、リスク許容度を超えないこと(ポートフォリオ管理)、投資はあくまで余剰資金で行うこと(すぐに必要になる生活資金では行わないこと)は意識をしておく必要があると思います。


次回も皆様のお役に立つ情報を発信していきます。


本コラムは、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。投資判断は投資家の皆さまの自己責任でお願い致します。


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