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世界経済 海外企業編 Meta Platforms, Inc.

世界経済 海外企業編 Meta Platforms, Inc.

こんにちは。

exit.です。

今回は2022年10月26日に第3四半期の決算発表を行ったMeta Platforms, Inc.(以下メタ・プラットフォームズ)(ティッカー:META)について取り上げたいと思います。


メタ・プラットフォームズはもともとFacebook, Inc.(旧ティッカー:FB)でしたが、2021年10月28日に社名変更を行いました。今後の成長のエンジンをフェイスブックのようなSNSではなく、メタバースに注力することからの社名変更となりました。(社名変更前の)同社は2010年にフェイスブックの設立や訴訟などについて描いた映画「The Social Network(邦題ソーシャル・ネットワーク)」が公開されたことでも有名です(この映画は、アカデミー賞の脚色賞、作曲賞、編集賞の3部門を受賞しました)。フェイスブックはマーク・ザッカーバーグ氏によって設立され2012年1月1日に上場(IPO)しました。本社はカリフォルニア州メンローパークにあります。同社は積極的な企業買収も行っています。2012年4月にはインスタグラムを、2014年2月にはWhatsApp(LINEのようなメッセージアプリをイメージしてもらえればと思います)を、同年3月にはOculus VR(Reality Labs)を買収しています。


メタ・プラットフォームズの第3四半期の決算内容としては、売上高が277.1億ドルで市場予測の273.8億ドルを上回りましたが、一株当たり利益は1.64ドルと市場予測の1.86ドルを下回りました。今後の見通し(ガイダンス)についても、売上高が300億ドル~325億ドルとなっており、市場予測の323.1億ドルを下回る結果となりました。広告収入が前年同期比-3.7%となっており、広告事業の不振が響く格好となっています。また今後注力をしていくというXR売上は前年同期比で売上高が-49%と大幅に減少しましたが、純損失については前年同期比で40%程度増加する結果となりました。また営業利益率も20%と前年同期の36%と比較すると大幅に低下しています。景気減速による企業の広告宣伝費の削減やインフレによる経費増加、ドル高による為替差損などの要因はあると考えられますが、同社の事業に対して逆風が強くなっていることが見て取れます。しかし、資本的支出(設備投資など)は2022年では228億ドルであり、前年の137億ドルから大幅に増加しています。フリーキャッシュフロー(営業キャッシュフロー-投資キャッシュフロー)を見てみますと、営業キャッシュフローは96.9億ドルで投資キャッシュフローは設備投資で93.55億ドル、ファイナンスリースの支払いで1.6億ドルとなり、差し引き1.7億ドルのプラスのフリーキャッシュフローとなっていますが、前年同期比(95.47億ドル)では-99%となっています。業績の不振に加えて多額の設備投資が響いた結果となっています。しかし、同社は今後も積極的な設備投資を行うことを発表していますので、メタバース事業が不振となると会社としては下り坂の企業と見られることになるかもしれません。決算発表直後の株価の動きもさえないものとなっています。

※XR = Extended RealityまたはCross Realityと呼ばれるもので、現実空間と仮想空間を融合する技術のことです。


フェイスブック自体は日々のアクティブユーザー(Daily Active Users)が19.8億人、月間アクティブユーザー(Monthly Active Users)が29.6億人いる巨大なSNSです。インスタグラムの月間アクティブユーザーは1億人程度と見られています。ただ、他の競合SNSや動画サイトなどにユーザーを取られているという報道もあるため今後もこの水準で推移していくかは不透明です。メタ・プラットフォームズとしては、早い段階でメタバース事業で採算を取れるところまで持っていきたいところだと思われます。巨額の投資資金を投じているため、このメタバース事業が失敗すると会社としては一気に下り坂と見られるようになるかもしれません。


以下のリンクはメタ・プラットフォームズの投資家情報(IR)へのリンクとなっています。

https://investor.fb.com/home/default.aspx


次回も皆様のお役に立つ情報を発信していきます。


本コラムは、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。投資判断は投資家の皆さまの自己責任でお願い致します。


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