NEWS

世界経済 今年のジャクソンホール会議の論点は何か

世界経済 今年のジャクソンホール会議の論点は何か

こんにちは。

exit.です。

今回のコラムでは、ジャクソンホール会議でのポイントについて見ていきたいと思います。


今年のジャクソンホール会議は、8月25日(木)~27日(土)にかけて開かれます。名前が「ジャクソンホール」となってはいますが、大会議室のような場所で開かれるものではなく、ワイオミング州ジャクソンホール(地名)を指しています。この会議は、カンザスシティ地区連銀が主催する年次経済シンポジウムのことです。最も注目されるジェローム・パウエル議長の講演は8月26日(金)に行われる予定で、この講演の中でインフレの先行きの展望や金融政策の運営についてどのように考えているのかを示すかどうかに市場の関心は集まっています。


今年のジャクソンホールでは、「経済や政策の制約要因を再評価」をテーマとしています。新型コロナウイルス感染症やロシアによるウクライナ侵攻などによる供給制約が目立っています。今後の世界経済や(金融)政策運営に関する制約要因を検証し、新たな制約要因がないのかを議論することが今回の目的となっています。この議論の中で、インフレの見通しなどにタカ派的(金融引き締めを強めるというようなもの)な内容だと判断されれば、株価などにとってはネガティブなものとなります。


アメリカでは、6月を現時点での底として7月より上昇を続けてきた株価はインフレのピークアウト及び2022年中の利上げの終了、2023年の利下げを織り込んでいたといわれています。FRBの中でも一番のタカ派とみられているセントルイス連邦銀行総裁のジェームズ・ブラード氏は、次回のFOMCでの0.75%利上げの支持及び2022年年末の金利を3.75%~4.00%にしたい考えを示しており、これは今の金利水準から1.5%の利上げをすることになります。市場予測として多いのは、年末までに3.4%前後の政策金利水準となっており、現在の金利水準から1.00%程度の利上げです。しかし、利下げについては、最近になって2023年には行われず、金利が高止まりするのではないかと考える市場関係者も増えてきています。インフレ率が高止まりしてしまえば金利を下げることが難しくなるため、目標とするインフレ率の2%に向けてインフレ率が低下していくかどうかを注視していく必要があります。


現在、市場の予測とFRBが対立している状態です。株価を下げて金利(10年国債の利回り)を引き上げたい(=債券価格の下落)FRBと、年内で利上げは終わり来年利下げと考え株高債券高の方向に振れている市場という構図になっています。市場関係者にFRBに対する不信感があるのは、昨年「インフレは一過性である」と言い続けたという判断ミスがあったためです。パウエル氏は今回のジャクソンホールでの講演で市場関係者の期待を修正していくような内容を話すのではないかとの話もありますが、ジャクソンホールでは主に経済政策を議論する(ややアカデミックな)場であり、アメリカの金融政策について議論をする場ではありません。しかしパウエル氏の講演内容の行間を読む形で推測をしていく市場関係者は多く、今後当面の資産運用の方針(特に株式)に影響を与えることになるかもしれません。


パウエル議長の講演内容などについては来週のコラムで取り上げていきたいと思います。


次回も皆様のお役に立つ情報を発信していきます。


本コラムは、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。投資判断は投資家の皆さまの自己責任でお願い致します。


以下のリンク(CONTACT)から弊社へのお問い合わせができます。節税をしたい、資産運用について考えたい、保険の見直しを行いたい、ライフプランについて考えていて相談をしたいことあるなどございましたら、お気軽にお問い合わせください。