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投資の知識 優先株式ETFと債券ETF

投資の知識 優先株式ETFと債券ETF

こんにちは。

exit.です。

今回のコラムでは、優先株式ETFと債券ETFについて取り上げていきたいと思います。


優先株式ETFと債券ETFについて特徴を見ていくまえに、まず優先株式とは何かについて見ていきます。優先株式とは他の株式と比較して優先的に配当金や残余財産を受け取ることができる一方、議決権に一定の制限がかかっている株式のことです。一般的には、優先株式は金融機関によって引き受けられることが多いため、優先株式が上場されることは少なく、投資家は投資信託やETFを通じて投資することになります。

※日本では、株式会社伊藤園の第1種優先株式がプライム市場で取引されています。

※普通株式よりも地位の劣る株式のことを劣後株と言います。


優先株式ETFの特徴としては、高配当であることや値動きが普通株式と比べて穏やかであることです(値動きとしては株式と債券の中間程度となることが多いです)。債券ETFは信用格付けの高い投資適格債に投資を行うものと、信用格付けの低い投資不適格債(ハイイールド債とも言われます)に投資を行うものに分かれます。信用格付けの高い債券は、安定性は高いものの利回りは低くなりますが、ハイイールド債は、安定性は低いものの利回りは高くなります。そのため、リスクを承知で利回りを狙う場合にはハイイールド債への投資を、リスクは押さえたいけどインカムゲインを得たい場合には投資適格債への投資を行うほうが良い、ということになります。


優先株式ETFは金利が低い状況の中では、債券ETFと比較して特に優れたパフォーマンスを示しますが、債券ETFは株式市場の動きに左右されにくく安定的なインカムによるリターンを狙うことができます。優先株式ETFも債券ETFもかかるコストは高くはないため、ポートフォリオに組み込んでおけば、分散効果を測ることができます。

※優先株式ETFは金融危機には弱いですが、債券ETFと同様に信用収縮が起こらなければ、底堅い値動きをしてくれることが予想されます。

※信用収縮とは、クレジットクランチ(Credit Crunch)とも呼ばれ、金融機関が貸し出しを貸し渋りのスタンスを強めることで、資金が不足し、市場の流動性が損なわれる状況のことを言います。


優先株式ETFも債券ETFもキャピタルゲインを狙う投資というよりも、インカムゲインを狙う投資となります。アメリカではFRBの利上げに注目が集まり、ヨーロッパでもECBが金融引き締めへと方向転換をしようとしています。そのような中で、優先株ETFも債券ETFも価格の下落を余儀なくされています。まだまだ優先株式ETFや債券ETFには逆境が続く環境にはなると思いますが、インカムゲインを狙うのであれば、これらのETFの値下がりが利回りの上昇をもたらすことになりますので、インカムゲインを狙う場合には良いかもしれません。

※ハイイールド債の方がリスク(信用リスクや流動性リスク、価格変動リスク)が高いため、値動きも大きくなることが多いですので、その点には注意が必要となります。


優先株式ETFも債券ETFも値動きはあまり大きくはなりません。そのため、安定的な運用や資産分散を行いたい、インカムゲインが欲しいという人には向くかもしれませんが、キャピタルゲインを狙いにくいため、売買で利益を生み出しにくい側面もあります。ご自身に合ったポートフォリオを構築する際には、ご自身のリスク許容度などを考えた上で、このようなETFを組み込んでみても良いかもしれません。


インカムゲインを狙う投資については以下のコラムでも取り上げていますので、ご参考までにお読みいただければと思います。


次回も皆様のお役に立つ情報を発信していきます。


本コラムは、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。投資判断は投資家の皆さまの自己責任でお願い致します。


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