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世界経済 海外企業編  Excelerate Energy, Inc.

世界経済 海外企業編  Excelerate Energy, Inc.

こんにちは。

exit.です。

2022年4月13日にニューヨーク証券取引所に上場したExcelerate Energy, Inc.(以下、エクセラレート・エナジー)(ティッカー:EE)を取り上げたいと思います。


エクセラレート・エナジーは液化天然ガスを気化させるFSRU(浮体式LNG貯蔵再ガス化設備 (Floating Storage and Regasification Unit))の分野で世界最大手の企業です。ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、原油などのエネルギー価格が高止まりの状態となっており、注目が集まっているエネルギー関連の企業の上場となります。またLNG(液化天然ガス(Liquefied Natural Gas))関連企業としては、2019年以来の上場となっています。エクセラレート・エナジーのCEOのスティーヴン・コボス氏はウクライナで起こっている戦争で絶対的な資源安保の必要性をみんなが感じており、この教訓はヨーロッパだけではなく全世界に拡大・適応ができることだという趣旨の発言をしています。


上場したばかりの会社のため四半期報告書(10-Q)や年次報告書(10-K)などは利用できません。そこで、財務の数字を確認するために目論見書(S-1)を見ていきたいと思います。上場にあたっての主幹事はバークレイズ、JPモルガン、モルガンスタンレーと共同主幹事となっています。売り上げの内容としては、FSRUサービス関連と天然ガスの売上となっております。2020年と2021年の(9月30日までの9か月間)比較では、322,977千ドルから549,752千ドルと約70%の増加となっています。2021年(9カ月)における、FSRUサービス関連と天然ガスの売り上げの比率はそれぞれ64%と36%となっています。純利益は24,188千ドルと42,977千ドルとなっており、およそ78%の増加となっています。次に、貸借対照表を見てみます。2021年9月末時点での会社の総資産は2,168,089千ドルで大半の1,447,334千ドル(約67%)を固定資産(Property and equipment, net)が占めています。流動比率は約80%程度ですが、自己資本比率も40%程度となっており、財務基盤は強固です。最後に、キャッシュフロー計算書の内容を見ていきます。2021年9月までの9か月間のキャッシュフローで、営業活動に係るキャッシュフローが130,576千ドルとなっており、昨年の同時期の73,816千ドルと比較して大幅に増加しています。投資キャッシュフローは-30,837千ドルとなっていますが、営業活動で生み出されたキャッシュフローで十分に賄えることが分かります(フリーキャッシュフロー=営業活動に係るキャッシュフロー-投資活動に係るキャッシュフローがプラスの状態になっています)。財務活動に係るキャッシュフローのセクションは、関連会社への支払手形の支払い(88,500千ドル)を行っており、財務活動全体では114,133千ドルのキャッシュアウトとなっており、現預金の増減としては14,394千ドルの現預金の減少となっています。


以下はエクセラレート・エナジーの投資家情報(IR)ページへのリンクです。目論見書(S-1)はFinancialsを選びSEC Filingsを選んでRegistration Statementsを選択してもらうと、一番下に出てきますので、そちらをご確認いただければと思います。上場したばかりの企業であまり日本語での情報は多くは見つからないかもしれませんが、今後四半期決算などの発表を行っていくにつれて日本語での情報も見つかりやすくなると思います。

Excelerate Energy, Inc. – Investor Relations


次回も皆様のお役に立つ情報を発信していきます。


本コラムは、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。投資判断は投資家の皆さまの自己責任でお願い致します。


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