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投資の基礎 新興国投資を考える際のポイント-後編

投資の基礎 新興国投資を考える際のポイント-後編

こんにちは。
exit.です。
今回は、前回から引き続きまして新興国への投資を考える際のポイントについて取り上げたいと思います。


前回のコラムでは、新興国に投資する際の3つのスタンスとして、①そもそも新興国には投資をしない、②(超)長期で考えて(積立)投資を行っていく、③新興国の経済に追い風が吹いているときに投資をしてその逆では投資を回収する、があることや投資対象となる国や投資対象となるものが限られている側面があることについて取り上げました。今回のコラムでは、特に為替レート(新興国通貨)について触れていきたいと思います。


まず、新興国に対する投資では、現地通貨建てでは資産が増えていても、為替レートの下落(新興国通貨安)によって、円ベースに換算すると思ったよりも利益が出ていない(場合によっては、マイナスになっている)場合が多いことには注意が必要です。米国の利上げは新興国からの資金の引き上げにつながる可能性があり、新興国投資にはマイナス(新興国通貨安)となる可能性が高く、アメリカの利上げ局面では注意が必要です。これは、米国通貨で投資を行ったほうがリスクを抑えながら運用によるリターンを得られる可能性が高くなると考えられ、リスクの大きな新興国通貨での運用よりも選好される傾向にあるためです。


また、新興国の高金利を売りにして金融商品を販売している証券会社などがありますが、そもそも金利が高い理由が、インフレ率が高いから金利が高いのか、信用力が低いから金利が高いのか、経済成長率が高いから金利が高いのか、ということの違いを考えていくほうが良いです。インフレ率が高いということは通貨価値が下落しているということですし、信用力が低いということはその国の財務状況が良くないことを示しています。「名目成長率=インフレ率+(実質)経済成長率」であり、この名目成長率に見合うだけの実質的なリターンが得られるのかを考えるのが投資のポイントと考えることができる。見かけ上(インフレ分)の通貨の安さに惑わされずに、実質成長を見て、リターンを得ることができるとなった場合には、投資対象としても良いと考えるほうが損失を防げます。


そして、新興国への投資のリターンは景気サイクルの中で良いときと悪いときの差が大きすぎることには注意が必要です。短期的に回転をさせるのであれば、数年ごとの新興国の投資の波に乗っていくことが良いと考えられます(2000年代のBRICsへの投資など)。長期的な新興国の成長を狙っていく(10年20年の長期投資)ことに関しては、新興国の経済成長及び経済発展が頓挫しなければ、先進国よりも投資した際のパフォーマンスは良くなる可能性があります。


また、リスクプレミアムが大きい通貨は大きく下落しやすいため注意が必要です。個人投資家にも人気のあるトルコリラのような通貨は、高金利ではありますがエルドアン政権の経済政策・金融政策への介入などもあり大きく下落しました。
※新興国通貨を見る際には、対円で為替レートを見るよりも、対ドルでトレンドを見たほうが良いです。多くの新興国はドル建ての負債を抱えているため、アメリカを意識した金融政策などを行うことが多いからです。


新興国投資を考える際のポイントとして、前編後編の2回に分けて取り上げてきました。新興国への投資はブームとして取り上げられることが多く、その時々にあったようなテーマ型の投資信託や高金利を売りにした債券などが販売されることが多いです。表向きのテーマや高金利に惑わされずに、しっかりと本質を見極めて投資していただくことが大切だと思います。


以下が先週の新興国投資について取り上げたコラムへのリンクです。ご参考までにお読みいただければと思います。


次回も皆様のお役に立つ情報を発信していきます。


本コラムは、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。投資判断は投資家の皆さまの自己責任でお願い致します。


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