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政治経済 東証の市場区分の変更について

政治経済 東証の市場区分の変更について

こんにちは。

exit.です。

今日は、東証の市場区分の変更について取り上げたいと思います。


4月1日の金曜日までは、東京証券取引所は「東証1部」、「東証2部」、「マザーズ」、「ジャスダック(JASDAQ)(スタンダード、グロース)」の4市場が存在していました。これが、4月4日月曜日から「プライム市場」、「スタンダード市場」「グロース市場」の3つの区分に変更されます。


①プライム市場

時価総額250億円以上、流通株式時価総額100億円以上、流通株式比率35%以上、最近2年の利益額25億円以上または売上高が100億円以上かつ時価総額1,000億円が主な上場基準です。海外を含めた多くの機関投資家の投資対象になり得る規模及び流動性や高いガバナンス(企業統治)の水準を備える企業向けの市場となります。株主のとの建設的な対話も求められることになり、持続的な企業の成長にコミットすることが求められます。また、上場後にも上場基準を満たしておく必要があります。東証一部上場企業の2,176社がそのままプライム市場(1,832社)に残ることになるため、最上位の市場として疑問が残る結果にはなっています。


②スタンダード市場

流通株式時価総額10億円以上で、流通株式比率25%以上、最近1年間の利益額1億円以上が主な上場条件です。公開された市場における一定の水準を満たすための流動性や時価総額及びガバナンス水準を備え、持続的な成長や中長期的な企業価値の成長にコミットしていく企業向けの市場となります。(比較的)割安に評価されやすい企業や業界が多くなると考えられます。東証2部(475社)とジャスダック・スタンダード(652社)及び東証1部でプライム市場の基準を満たさなかった企業がスタンダード市場に移行することになります。結果として、1,472社がスタンダード市場で取引されるようになります。


③グロース市場

流通株式時価総額5億円以上で、流通株式比率25%以上が主な上場条件です。高い成長性を実現していく企業向けの市場となります。成長性に関しての評価が得られる一方で、実績面からするとリスクの高くなる企業がこの市場に上場される(残る)形になります。東証マザーズに上場していた企業432社及びジャスダック・グロースで取引されていた34社が移行されてきます。グロース市場に上場する企業は466社となります。今までグロース企業はマザーズとジャスダック・グロースに分かれていたため、今回の市場区分の変更でグロース市場に一本化されますので、新興市場としての役割が大きくなるものと考えられます。


今回の市場区分の変更で算出が終わる指標が出てきます。「東証二部指数」、「ジャスダックインデックス」、「ジャスダック インデックス スタンダード」「ジャスダックインデックス グロース」などは4月4日をもって算出終了となります。また「東証プライム市場指数」、「東証スタンダード市場指数」、「東証グロース市場指数」のように新設される株価指数もあります。そして、TOPIXも以前は東証1部上場企業全銘柄を対象に算出していましたら、今回の市場区分変更で計算方法が変更となります。流通時価総額が100億円未満の銘柄に関しては段階的にウエイトを低減し、2025年1月最終営業日に除外されることとなりますので、流通時価総額が低い企業の株価にとっての下落要因となると考えられます。


市場区分の見直しを一つの切っ掛けとして、IR(株主とのコミュニケーション)の強化に乗り出す企業や、株価を上げる施策(株主還元の強化など)を打つ企業も出てくるな度していますので、投資する際の企業選定をしっかりと行う必要が高まっているように感じられます。


次回も皆様のお役に立つ情報を発信していきます。


本コラムは、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。投資判断は投資家の皆さまの自己責任でお願い致します。


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